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インターフェロン産生能検査とは

 

未病先防:インターフェロン産生能検査のおすすめ

 インターフェロン(IFN) 産生能検査は、ルイ・パストゥール医学研究センターで開発されたユニークな免疫機能検査です。創立者である故岸田綱太郎京都府立医大名誉教授がこの検査を始めて30年あまり、その実績と、健常者や色々な疾患の方を含めて延べ2万人以上のデータが蓄積されています。特に血液検査を中心としたヘルスチェックコースにはIFN産生能検査が組み込まれ、最長で約30年にわたる検査結果が保存されています。

 

 IFN産生能検査は血液を5cc程採血(ヘルスチェックの時は15cc)することで可能です。試験管のなかで、擬似的にウイルス感染を起こした状態を作りだし、その時に産生されるIFNの量を測定して、産生能力を測るのです。では産生されたIFNを測定して何がわかるのでしょうか。生体はウイルスや細菌による感染が起こった時、IFNを産生して周辺の細胞を感染抵抗性の細胞に変えます。主たるIFNであるαIFNを作る細胞は、プラズマサイトイド樹状細胞といわれる白血球の一つで、末梢血中にはほんの0.05%しか存在しませんが、非常に重要な役割を果たしています。最近ではIFNは単にウイルス感染時だけでなく、免疫系全体の活性化にとても重要な役割を果たすことがわかってきました。

 IFNが十分作られないとどういうことになるのでしょうか。IFNの働きを無くしてしまう抗体(抗IFN抗体)を投与したマウスの実験では、移植した癌は短期間で大きく広がってしまいました。ウイルスが感染したマウスもすぐに死んでしまいました。IFNが無ければ、ガンの監視や免疫の機能で重要な役割を担っている、ナチュラルキラー細胞もマクロファージもキラーT細胞も十分には働けないのです。

   

 当研究センターでのIFN産生能の研究で明らかになったことは: 

1)癌患者においては病気の進行とともにαIFNの産生が低下します。従って病気がよくなっているか悪化しているかの目安になります。2) C型肝炎患者ではαIFN産生能が低下すると、肝癌の発癌リスクが高くなります。
3)糖尿病の方は糖尿病の発症や進行と共にαIFN産生能が低下します。
4)結核やHIV感染症の方もαIFN産生能の低下が認められ、病気の治癒あるいは改善と共に、上昇します。
5) αIFN産生能は加齢とともにやや低下する傾向がありますが、その低下は軽微であり、病気の治療やライフスタイルの変化によって、上昇することもあります。
 血液検査を中心としたヘルスチェックを受けられた方には、これらの膨大な研究結果をもとに、コメントをつけて結果を報告しています。特に結果の分析に当たっては、1回きりの測定の結果のみでなく、継続して測定することにより、その方のIFN産生能の特性を見極めて、大きく変動した時には精密検査をおすすめし、肝炎や癌手術後の方では、発癌や再発リスクについてアドバイスをしています。このようにして、癌の早期発見につながった例や生活改善に寄与した例が多数でてきています。

 もちろん、この検査は万能ではありません。この検査で言えることは、あくまでIFNを作る能力に代表されるような、人における基礎的な免疫機能の低下です。この場合は、何かの病気が隠れている可能性や精密検査の必要性などを考える必要があります。また、α型インターフェロン産生能はかなり心の状態の影響も受けやすいので、それが原因での低下も考えられます。ストレスが長期間に渡っていて、免疫機能が低下しているときは、癌等の発症のリスクも高くなります。検査のコメントから、生活を見直していただくきっかけになればと思います。健康だと思っている人の体内にも癌(変異細胞)は存在するのです。私たちが癌にならないのは、こういった変異細胞を排除するシステム、すなわち免疫監視機構が働いているからで、この監視機構が弱ってくると癌も大きくなりやすいということになります。この監視機構の力を知る手段として、IFN産生能検査は有用です。

みなさまの健康管理にこの検査を活用されることをおすすめします。


各種疾患とインターフェロン産生能