ホーム研究活動研究室紹介 > 詳細
基礎研究部

がん免疫医科学研究室 

 がんペプチドワクチンや免疫チェックポイントを阻害する分子標的治療薬によるがん免疫療法の研究が世界的に進められており、その臨床応用が期待されています。がん免疫療法は身体への負担が少なくQOLを保ちながら治療を受けることができ、標準的治療の選択肢のひとつとして台頭すれば、その恩恵は大きいと考えられています。このようなことを背景として本研究室ではがん免疫に関する研究を行っています。

<治療効果を予測するバイオマーカーの探索>

担がん宿主の免疫監視機構のポテンシャルやがん局所における免疫担当細胞の浸潤様式の解析による免疫学的洞察に基づいて、予後やがん治療の効果を予測するツールの確立が必要とされています。本研究室では関連施設である医聖会百万遍クリニックと共同して、担がん宿主の各種免疫パラメーターの解析等からがん免疫療法における効果予測や患者選択に有用なバイオマーカーを探索するための研究を行っています。

<新規がん集学的治療の開発>

担がん生体に免疫抑制環境が存在していることが、がん抗原特異的な腫瘍免疫の強化だけでは一定の効果が得られない要因の一つとされています。
 近年、免疫チェックポイントを阻害する抗CTLA-4抗体(Evan J. Lipson, et al. Clin Cancer Res, 17:6958-62, 2011.)や抗PD-1抗体(Suzanne L. Topalian, et al. N Engl J Med, 366:2455-65, 2012.)の効果が報告されています。
CTLA-4抗体や抗PD-1抗体はがん細胞を直接死滅させるのではなく、免疫監査機構の回復・強化により抗腫瘍効果を発揮します。これらの分子標的治療薬をがんワクチンやがん免疫細胞療法と併用した際の相乗効果についてはいまだ不明であります。本研究室ではレトロネクチン®誘導Tリンパ球療法(ナイーブTリンパ球療法)や高純度NK細胞療法といったがん免疫細胞療法を作用機序の異なるこれらの分子標的治療薬と組み合わせて免疫ネットワークを包括的に操作することを戦略として新規がん集学的治療開発に向けた基盤的研究を行っています。

(室長:坂元 直行)