ルイ・パストゥール医学研究センター
理事長吉川 敏一
19 世紀に活躍したルイ・パストゥールは、新しい視点を持つことによって、科学の世界に革命を起こしました。今では当然のこととされている「生命の自然発生の否定」から始まり、感染と細菌の関係など多岐に亘り、前人未踏の分野を切り開きました。それは直ちに消毒や外科手術に活かされ、またワクチンの開発により狂犬病などの悲惨な病気の発症を完全に予防する方法を確立しました。そのほか発酵や低温殺菌、光学異性体の発見など、医学分野のみに関わらず、人間生活に密着した多くの恩恵を私たちに与えてくれました。
パストゥールの時代から1世紀半を経て、私たちは先人たちが築き上げた科学進歩のおかげで長寿となりました。が同時に、長寿ゆえに、いかに健康でその生を全うするかという新たな問題を多く抱えるようにもなりました。
これまでの免疫と細菌の研究を核としながら、環境・感染防御、再生医療、AIをはじめとして、免疫力とがんの予防・治療や抗加齢のメカニズムの解明・確立などに取り組み、健やかな長寿を目指して邁進いたします。みなさまのあたたかいご支援やご理解を賜りたく存じます。