研究活動

当医学研究センターには20の研究室がございます。

  • インターフェロン・生体防御研究室

    室長:宇野 賀津子
    主席研究員:鈴木 和男
    研究員:八木 克巳、伊保 澄子
    特任研究員:ラッセル・リージャ、
          高 宇嫺

    当研究室は、インターフェロン(IFN)産生能他、独自に開発した免疫機構検査により、ガンの早期発見や治療に有用な情報の提供を行っています。またガンの早期発見や病態を反映する免疫マーカーの有用性を研究しています。
    2011年の福島第一原子力発電所の事故後は、免疫能力に対する低線量放射線被曝の影響に焦点を当て、福島地域の住民に最善のライフスタイルを支援することを目的とした政府プロジェクトの一部も担っています。

  • 神経科学研究室

    室 長:安田 ゐう子
    研究員:藤田 晢也

    中枢神経系の個体発生、ニューロン・グリア・スイッチの分子機構、および、ヒト脳のマトリックス細胞系の分子的進化のメカニズムを研究しています。さらに、グリア細胞が脳機能にはたす役割や、ミクログリアの形態と機能の再検討を進めています。

  • 臨床病理研究室

    室 長:土橋 康成

    病理診断情報をデジタル化することによる、遠隔病理診断(テレパソロジー)システムの開発と運営を行っています。また、地域医療支援病理診断に伴う、遠隔病理診断や細胞診の運用ガイドラインの作成、および臨床病理学的症例研究を行っています。

  • 細胞療法研究室

    室長:木村 修
    研究員:古川 泰三
    特任研究員:髙田 香、増田 裕希、
          小川 太一朗、
          関本 公紀

    近年、幹細胞をもちいた再生医療、あるいは免疫細胞を用いたがん免疫療法など、細胞を用いた治療に関する基礎研究および臨床研究が世界中で盛んに行われてきています。これを踏まえ、本研究室ではこれらのような細胞を用いた治療法について臨床研究をベースにしながら、治療成績の向上を目指し、その作用機序などに関するトランスレーショナルリサーチを行う事が主な目的です。
    本年度は治療効果と血中サイトカインのプロファイルとの相関についてリアルタイムに解析を行う方針です。

  • 創薬研究室

    室 長:安田 佳子
    主任研究員:近藤 恭士
    研究員:安田 恵、唐 淼、
        庄 暁桐

    1993年に、私たちは赤血球産生に係るエリスロポエチン情報系が良性及び悪性腫瘍の生存・増殖・分化に関与していることを見出しました。現在最適の悪性腫瘍に対する最適の治療方法・手段は、世界中においても残念ながら見出せていないが、前年まで創薬研究室の共同研究に参加してくださっていたエポメッド株式会社が、エリスロポエチン情報系を遮断する低分子量のペプチドで抗癌剤の創薬を進めています。私たちの研究室では、エポメッド株式会社の創薬の基となった化合物を用いて、最も致死率の高い肝癌・膵臓癌等に焦点を絞り、エリスロポエチン情報系の崩壊をそれらの腫瘍解明する実験と癌のバイオマーカーについても研究しています。

  • 文理融合型先端医科学研究室

    室長:高垣 雅緒
    主任研究員:香川 則子、
          早乙女 智子
    研究員:神本 秀爾、井家 晴子、
        岡田 拓治、中村 一仁、
        宮本 聡、米澤 慶子

    進歩し続ける先端医科学の諸相と人類との関わりについて、主に医科学、人類学、哲学、歴史などの知見を基に学際的なフィールドワークを行い、議論、分析し近未来における医科学の在りようと人類への処方を探り、実践し、成果をわかりやすく公表しようとするユニークな研究室です。

  • ヒト疾患モデル研究室

    室長:岩倉 洋一郎

    自己免疫やアレルギーなどの発症には多くの遺伝子が関与することがわかっています。病態形成における個々の遺伝子の役割を明らかにすることによって、発症機構を知り、新しい治療薬の開発につなげることができます。当研究室では、特定の遺伝子を外から導入したマウス(トランスジェニックマウス)や遺伝子の機能を失わせたマウス(ノックアウトマウス)を100系統以上作製し、病気の発症に関わる多くの遺伝子を同定することに成功しました。また同時に、病態形成におけるこれらの遺伝子の役割についても解析しております。とりわけ、私どもは世界的に患者が多く、有効な治療法の開発が望まれている自己免疫疾患やアレルギーに関連する遺伝子の役割について興味を持っており、これらのマウスを利用することによって病気の発症機構を解明し、新たな治療法の開発につなげることを目指しています。また、希望される方にはこれらの遺伝子改変マウスを分与することが可能ですので、ご連絡ください。

【吉川研究グループ 室長:吉川敏一】

  • シックハウス医科学研究室

    室 長:吉川 敏一
    主席研究員:内山 巌雄

    シックハウス症候群や化学物質過敏症の疾患概念や診断指針に関する基礎研究に加えて、脳機能、免疫機能、遺伝的要因、心理的影響など、さまざまな角度から研究を行っています。

  • 最先端粒子線治療研究室

    室 長:吉川 敏一
    主席研究員:高橋 成人
    主任研究員:畑澤 順
    研究員:勝又 太郎

    がんの治療法の一つに、陽子、中性子、重粒子線、などを用いた粒子線治療が臨床応用されています。しかし、いずれも大型機器であり、その利用には多くの制限があるため一般的に広く利用されるには至っていません。我々は、最先端の技術を用いて新世代の粒子線治療としての小型化ホウ素中性子補足療法(BNCT)装置を開発しています。これは非常にコンパクトな設計であり、スペースをあまり必要とせず、かつ放射化などのリスクが低く、安全性でも優れた機能を有しています。一方、がんに特異的に集積する新規のホウ素薬剤の開発をすすめ、BNCTのより安全、かつ効果的な治療法の確立に向けて包括的な研究を進めています。また、臨床治験に向けた統括組織としての役割を担います。

  • 医療国際連携研究室

    室 長:吉川 敏一
    主任研究員:高島 正広
    研究員:西野 勝弘

    医療の国際化に伴い、国外からの患者の受け入れや、国外への医療従事者の派遣、医療機器や業務の支援などが急務となっています。一方、言語や制度のほか経済的な問題など、解決しなければならない点が多く残されています。これらの諸問題を解決するため、テキストの作成、実際的な交流などを通して、医療の国際連携の推進研究を進めています。

  • 耐性菌研究室

    室 長:吉川 敏一
    主席研究員:矢野 寿一

    薬剤耐性菌は、医療機関において治療の難渋化のみならず感染拡大など多くの問題を抱えています。研究室では、①薬剤耐性菌の耐性機構の解明、②薬剤耐性菌検出法の開発、③新規耐性菌出現の監視、と耐性菌を中心とした研究を実施し、さらに、④病原微生物が感染症を引き起こす仕組み、⑤環境菌のヒトへの関わり、といった微生物全般についての解析にも取り組む予定です。また、新型コロナウイルスを培養、精製し、新型コロナウイルスを不活化する素材や消毒薬の評価を行います。

  • 健康・スポーツ医科学研究室

    室 長:吉川 敏一
    主席研究員:川合 ゆかり
    客員研究員:高波 嘉一
    研究員:青井 渉

    老化やメタボリックシンドローム、生活習慣病などの効果的な予防法を運動、栄養、休養などの側面から科学的エビデンスをもって確立することを目的として研究を行っております。

  • フリーラジカル医科学研究室

    室 長:吉川 敏一
    客員研究員:南山 幸子、
          市川 寛

    磁気共鳴装置(ESR) や化学発光装置などを用いて、試験管内および細胞などのフリーラジカルやフリーラジカル消去能を測定し、薬剤や食品およびその他の物質のフリーラジカル産生や消去におよぼす影響について研究しています。また、種々の疾患モデルラットや老化促進マウスなどを用いて、さまざまな食品や抗酸化物質を投与し、その有効性についても検討していく予定です。

  • アンチエイジング医科学研究室

    室 長:吉川 敏一
    主席研究員:山田 秀和
    客員研究員:一宮 一子
    研究員:高島 正広、
        日比野 佐和子
    特任研究員:渡邊 昌

    人生百年時代を迎え、健康で長生きである、いわゆる「健康長寿」の実現にはいまだ多くの課題が存在しています。国際疾病分類ICDー11が2022年から採用され、老化関連にもXT9Tというサブコードがつきました。今後は、老化関連疾患を制御するために、老化を検討する時代に入りました。老化が病と見做されるようになりつつあります。さらに、Epigenetic な検討から、暦年齢とは別に生物学的年齢を計測することも狩野樹となりました。当研究室でも、DNAのメチル化を中心に、運動や見た目年齢などのその他の表現型を加えたAging Clocksの開発をしています。健康寿命を延ばすには、運動・栄養・心(脳・睡眠)・環境への全ての取り組みが必要です。生活習慣や環境の改善、腸内や皮膚のバイオーム共の利用のほか、老化細胞の排除などが重要となってきました。この問題点を解決し、健康寿命の延伸を目的としたアンチエイジング(抗加齢)の在り方を研究しています。

  • 環境感染制御研究室

    室長:吉川 敏一
    主席研究員:菊地 憲次
    客員研究員:堀田 国元、
          八木澤 守正、
          高木 弘隆、
          服部 匡志
    主任研究員:呉 成旭
    研究員:河野 雅弘、才原 康弘、
        藤原 功一、佐藤 勉、
        井上 一彦、川上 智史
    特任研究員:青木 洋子

    新型コロナウイルス感染症対策として、「機能水」の一つである電解次亜塩素酸水が大きな注目をあびています。そこで、BSL3対応の実験室を新設して、新たな研究設備を充実しました。特に共存イオン濃度を低く抑えた電解次亜塩素酸水の特性とウイルスや病原菌の不活化や殺菌機序を明らかにする研究を5大学および1研究機関とで共同研究を行っています。さらに、次亜塩素酸水のうがいによる口腔内細菌叢の変化や薬剤耐性菌についての研究も開始しました。このように、研究内容が大きく発展したので、研究室名を2021年に「環境感染制御研究室」に変更しました。また、日本機能水学会や一般財団法人機能水研究振興財団とも密接に連携して日本における機能水研究の指導的役割を果しつつあります。2021年度は十分な新型コロナウイルス感染症対策のもとで生物安全実践講習会の基盤コースを2回開催しました。さらに、新たな感染症対策としての菌やウイルスの精製や保管管理の重要性に鑑みて、新たな保管管理機構の設立を模索しています。このような活動を通じて得た研究成果を社会に還元するための広報やセミナーなどを開催する計画です。

  • 医農食情報環境連携研究室

    室 長:吉川 敏一
    主席研究員:沢田 泉
    客員研究員:田中 朋清
    主任研究員:小田 滋晃
    研究員:沢田 陽子、藤掛 進、
        小田 昌希

    近年、多くの食品に含まれる多様な機能性核酸が、健康に対して良否に渡る様々な影響を及ぼすことが判明しつつあります。そこで、我々は食品から栄養分だけでなく、機能性情報も同時に摂取しているという考えのもとに、医学と農学の情報交換を活発に行い、世界最大の食料輸入国であるわが国が、より安全で健康にも有用な農産物の安定供給を可能にする対策について、医学的エビデンスを加えた研究を行っています。

  • AI・eスポーツ医学研究室

    室長:吉川 敏一
    主席研究員:杉野 裕章
    研究員:照岡 正樹、豊丹生 道良、
        前川 友吾

    AIデバイス研究室を発展的継承した研究室です。eスポーツプレイによる脳機能の活性化や抗加齢などの効果について、脳や身体の生理的な状態をAI等により解析し、より客観的な評価を行う研究に取り組んでいます。
    また、従来からの、複数波干渉式深部電気刺激装置・深部生体音センサなど特許取得技術を使ったデバイス系の研究も継続しながら、新たな情報基盤に関する取り組みとして、個々人の生体情報等のNFT(Non-Fungible Token)による資産化に関する研究も開始しています。このようなプライバシー保護技術は、医療システム内の研究や臨床応用を向上させるために必要な技術と考えています。

  • 再生医療研究室

    室 長:吉川 敏一
    主席研究員:戴 平
    主任研究員:原田 義規
    研究員:倉橋 敏裕、武田 行正、
        松本 潤一

    遺伝子導入技術を用いずに、低分子化合物のみで体細胞から異なる種類の体細胞へと直接誘導分化する技術の開発、更にそのメカニズムの解明に取り組んでいます。これまでと異なった新たな再生医療技術の確立並びに再生医療用細胞ソースの提供を目指しています。

  • 抗酸化研究室

    室 長:吉川 敏一
    主席研究員:犬房 春彦
    主任研究員:楊 馥華

    抗酸化剤(Twendee X、Twendee mtcontrol)を用いて、様々な酸化ストレス病に対する予防や治療への効果を基礎と臨床の双方から研究を行っています。

  • 生体防御応用研究室

    室長:吉川 敏一
    主席研究員:大江 洋正
    研究員:日下部 守昭、
        川出 雄二郎、五藤 健児

    人の健康寿命の延伸を図るため、環境、食事、腸内細菌、睡眠、生活リズムなどの観点から基礎的・臨床的研究を進めています。また、アレルギーや生活習慣病などの疾患だけでなく、日常の生活からの病気の予防についても検討を加えています。

研究報告(PasKen Journal)

  • 2022年
    (第31号)

  • 2021年
    (第30号)

  • 2013-2016年
    (第26-29号)

  • 2010-2012年
    (第23-25号)

  • 2008・2009年度
    (第21・22号)

  • 2007年度
    (第20号)

  • 2006年度
    (第19号)

  • 2005年度
    (第18号)

  • 2004年度
    (第17号)

  • 2003年度
    (第16号)

  • 2002年度
    (第15号)

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