生物安全実践講習会開催のご案内
私たちは各種の微生物と共存して生活していますが、感染症を引き起こす感染症病原体(主に細菌やウイルスなどの病原微生物;以下、病原体と略)とは、遠い昔から闘いを続けており、今も各種の感染症の流行、薬剤耐性菌の出現と伝播、さらにはバイオテロなどの脅威に曝されています。
それらを回避、制御、克服するために国は、公衆衛生指導やワクチン・抗生物質の開発・導入を進め、近年はHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)に沿った衛生管理や、ヒト・動物・食品・環境を関連付けて総合的に研究し薬剤耐性菌対策を構築するワンヘルス(One Health)という考え方などの新しい政策を打ち出し・推進しています。
感染症の発生・流行は、病原体、感染経路、および宿主(ヒト)の感受性の3条件がそろって起きます。したがって、これらに関連する的確な最新知識と技術を学び身に着けることが、病原体の感染を防ぎ、感染症に対する個人および社会の安全性を高めていく上で不可欠です。しかしながら現在、我が国では上記のことを学ぶことができる教育の場が極めて限られています。
以上のことを踏まえて、近代細菌学の祖であるルイ・パストゥール(仏;1822-95)の理念に基づき研究活動しているルイ・パストゥール医学研究センターと殺菌性機能水の標準化と効果的使用法に取り組んでいる機能水研究振興財団では、感染症対策の教育の場として「生物安全実践講習会」を共同公益事業として立ち上げることになり、国立感染症研究所など公的研究機関出身の感染症専門家の協力・指導ならびに関係企業の賛同を得て制度設計やカリキュラム構築などの準備を進めてまいりました。
「生物安全実践講習会」は、上記の感染症発生3条件に関連して、病原体とその取扱い技術、感染予防のための衛生管理、感染症発生後の危機管理などについて座学と実習を実施することを基本内容としています。そして、受講者のニーズに応じた以下の4つのコース実施を計画しています。
- 生物安全基盤コース:病原体基盤知識必要者(医療機器、衛生器材、機器・実験室メンテナンス、建築、スポーツ施設などの従事者)
- 生物安全Aコース:病原体接触者(食品施設、介護施設、歯科施設、関係行政機関などの従事者)
- 生物安全Bコース:病原体取扱者(バイオ実験施設、医療関係施設、大学などの従事者)
- 生物安全特別コース:生物安全に関わる特別な事案(病原体運搬、薬剤耐性菌対策、輸入感染症対策等)の従事者
今回、生物安全講習会のキックオフ講習会として、第1回生物安全基盤コースの講習会を企画、実施することになりましたのでご案内する次第です。
下記 「実施要項」、「プログラム概要」も合わせてご覧いただき、お申込みいただければ幸いに存じます。
多数の皆様のご参加をお待ちいたしております。
第1回 生物安全基盤コース 実施要項
日程 | 令和2(2020)年2月25日(火)9:00~17:00(開場8:45) |
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会場 | (公財)ルイ・パストゥール医学研究センター 所在地 〒606-8225 京都市左京区田中門前町103-5 電話 075-712-6009 アクセス» 今出川通り百万遍交差点より北へ200m |
内容 | ⽣物安全基盤コース(プログラム概要参照) |
対象者 | 病原体の基盤知識を必要とされる、医療・衛生機器、食品加工機器、建築設 備等の開発・設計や医療・介護、食品、スポーツ施設、実験室等の維持管理に従事される方。 |
受講料 | 1名 20,000円 |
定員 | 30名(定員を超えた場合、また同⼀所属からお申し込みが多数の場合、事務局で調整させていただきますことをご了承下さい) |
申し込み | 下部にある「参加申込はこちらより」ボタンから申込フォームに入り、必要事項をご入力下さい。 |
申込締切 | 2020年1⽉24⽇(⾦) |
その他 |
【事務局】 〒141-0021 東京都品川区上⼤崎2-20-8 ⼀般財団法人 機能水研究振興財団内 生物安全実践講習会事務局 E-mail:biosafety2020@gmail.com URL: http://www.fwf.or.jp FAX:03-5435-8522 |
講習会プログラム概要
科目 | 予定講師 | 所属 |
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1.生物安全講習会概要 | 堀田国元 | 機能水研究振興財団(元国⽴感染症研究所) |
2.感染症概論 | 木ノ本 雅通 | 元国立感染症研究所 |
3.病原体概論Ⅰ-細菌類- | 中野 隆史 | ⼤阪医科大学微生物学教室 |
4.病原体概論Ⅱ-ウイルス- | 吉澤重克 | 元千葉県家畜衛生研究所 |
5.感染防御概論Ⅰ-感染経路対策- | 本間茂、堀田国元 | 機能水研究振興財団 |
6.感染制御概論Ⅱ-消毒・滅菌法- | 岩澤篤郎 | 東京医療保健大学 |
昼食休憩(昼食は事務局にて準備致します) | ||
7.記念特別講演 | 厚生労働省担当官(調整中) | |
8.実習:4つのグループに分かれA~Dの実技実習を行います。
A:衛生的手洗い B :ATPふき取り検査 C:細菌の直接観察 D:個人防護具の着脱 |
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9.理解度テスト兼 認定試験 |
興研株式会社の『Clean Health Safety NEWS』5月号に生物安全実践講習会のレポートが掲載されました。